2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

畑と駐車場

近所に畑があった。隣はスーパーマーケット、向かいは都市銀行。そこだけが周囲から取り残されていた。しかし、たまにそばを通ると、町のなかの違和感とともに、不思議な安堵感があった。 畑がなくなった。いつの間にか工事が始まり、そこは駐車場になった。…

この3日間ほど、4段落の小文を書いてみた。よい名称が思いつかないので、さしあたり「雑感」としておく。「雑感」に分類されるものは、すべて4段落構成にしなければならないことにする。

反戦歌

2年前だかの紅白のトリはSMAP「世界に一つだけの花」だった。イラク戦争に対する反戦歌としてとらえられていた。国民的イベントとされている紅白歌合戦のなかで、公共放送たるNHKの番組で、反戦のメッセージを添えて歌われたのは、ちょっと意外だっ…

好きな言葉

小学校の頃の作文の課題に、「私の好きな言葉」というのがあった。いろいろと考えてみたが、「好きな言葉」なんて、まったく思い浮かばない。本当に好きであれば、考える必要などないはずだ。たかだか数年の言語経験しかないのだから、「好きな言葉」なんて…

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末広陽子『私はチョウザメが食べたかった。』河出書房新社(2003) ISBN:4309905455 父のアメリカ旅行の土産話、「チョウザメのステーキがいちばん旨かった!」、この言葉からチョウザメに関心をもった著者のチョウザメエッセイ。内容は、前半が「国際ス…

久しぶりの古本屋めぐり。収穫あり。久しぶりに楽しい会話ができた気がする。あまりお役にたてずに申し訳ない。

生徒の通う学校はバラバラなので、それぞれに定期試験対策をせねばならない。それが学習塾の役割だ。とすると、計画的に準備するしかないのだろう。9月からバトンタッチされて、結局のところ試験対策しかまだやってない。しかも日程的に無理がある。どうし…

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市川伸一『考えることの科学』中公新書(1997) ISBN:412101345X 「本書は三部から成っている。1部は論理的推論、2部は確率的推論、そして3部は、広く日常場面における推論を扱っている」。それぞれが3章構造になっていて、バランスもよい。何よりわ…

正論もその論じ方によっては相手にされない。議論の仕方の問題ではない。議論せずに伝える方法の問題である。

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谷岡一郎『ギャンブルフィーヴァー』中公新書(1996) ISBN:4121013255 副題は「依存症と合法化論争」。基本的にこの2つが本書のテーマだが、後者は合法化論争というよりは、ギャンブルの社会的必要性と娯楽としての可能性を論じていると言った方が適切…

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松井浩『打撃の神髄 榎本喜八伝』講談社(2005) ISBN:4062129078 「この物語は、一途に野球を愛し、一心不乱にバットを振り続けた榎本喜八という野球人の、火花の散るがごとく激烈な一代記である」。 彼に必要だったのは、理解ある指導者だったのかもし…

ブレイクスルーみたいなものがあればよいのだけれど。どこもかしこも行き止まり。逍遥もいい加減にしないと。結局はひらめきときっかけに祈るのみか。祈れるだけ恵まれているのだし。

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小野耕世『ドナルド・ダックの世界像』中公新書(1983) ISBN:4121707109 あまりディズニーには詳しくないのだが、ドナルド・ダックを扱った本としてはたぶん最も有名。著者の経験、紹介、分析が入り混じっている。経験をもとにした紹介が中心なのだろう…

社会生活の潤滑油として根回しは意味をもつ。それが日本的であろうがなかろうが、現実社会において摩擦を避けたければ、根回しは形はどうあれ必要だ。油切れのひずみを他人に押し付けるながら生きていくのは、なんと幸せなことか。 社会が生じるには最低1人…

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竹内洋『丸山眞男の時代』中公新書(2005) ISBN:4121018206 「丸山の言説を個人のものとして分析する(せまい意味での)思想研究ではなく、戦後の大衆インテリの世界の中で丸山の言説を読み解く知識社会学あるいは社会史的アプローチによって戦後日本論…

帯かたすきかという二択にすることがそもそもの問題で、帯にもたすきにも合わなければ、また別のものにすればよいだけのことではある。 これが天職幻想というやつで、個性重視の弊害そのものである。天職なんて幻想だと論じた本を比較的最近読んだ気がするが…

帯に短したすきに長し。器用貧乏か。

読了

森毅『数学受験術指南』中公新書(1981) ISBN:4121006070 題名を信じてはいけない。まず、本書は「数学」のみにあてはまることを論じているのではない。著者が数学者だから、数学の例が多いだけである。本書は受験とは何かについて考える絶好の材料であ…

人に教えることによって、新しい理解へ到達することができる。受験国語を教えるのは先月からだったが、このたった10回強の授業が、自らの受験国語理解を深めた気がする。実際に自らが受験国語を学んでいたのは、もうずいぶんと前の話だ。だが、その当時の…

堂ヶ島へ。西伊豆にはまた違う海がある。まずは遊覧船へ。波が荒く、残念ながら洞窟の中には入れなかった。とはいえさすがは「伊豆の松島」。松島があまりにも有名なのでこういうのだろうが、松島とはまた違った美しさがある。堂ヶ島は堂ヶ島であって、松島…

瞬間のスポットライト

まずは石廊崎へ。伊豆半島最南端、風の強いことこのうえなし。海は荒れていて、遊覧船も揺れる揺れる。でも、こういう船の揺れは好きだ。やはり私にも漁師の血が流れているのだろう。海ってやっぱりすばらしい。 午後からは河津七滝へ。『伊豆の踊子』は読ん…

ということで、伊豆は下田へ。宿を探して腹ごしらえしたら、とりあえずは市内観光。はじめての町にくれば、まずは高いところから眺めるのが一番。ロープウェイで寝姿山へ。天気がよければ島も見えたのだろうけど、あいにくの天気。いたしかたあるまい。山を…

思いたったら吉日というではないか。

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日高敏隆・竹内久美子『もっとウソを!』文春文庫(2000) ISBN:4167270064 師弟対談。裏表紙の内容紹介欄をみると、性の話ばかり語っているようにみえるが、本対談の中心は「科学とは何か?」である。第1章・第2章は性の話中心になっているが、これは…

芝生の青さ

隣の芝生はどうしても青く見える。隣の芝生は隣のものであって自分のものではない。だから結局のところよく見ていない。よく見ていないからこそ、見たい部分だけ見る。何が見たいかといえば、結局、自分で評価可能なところ、というより、評価したい部分しか…

とうとう読書会も終わった。参加者のみなさまにはとても感謝しています。私の趣味につきあってくださってどうもありがとう。

明日はとうとう丸山読書会最終回。「日本の思想」はまとめにちょうどよいかと思ったが、想像以上に難解だった。たしかに6、7年前だったかに読んだときも、難解な印象はあったが、まさかここまでとは。最後なんだから、もっと楽しい論文を選ぶべきだったか。

読了

玉村豊男『私のワイン畑』中公文庫(1999) ISBN:4122033527 著者が長野県の東部町に引越し、そこでブドウ畑をつくり、ワインをつくるまでをまとめた随筆。農業の魅力と、夢への挑戦にあふれた一冊。 農業の魅力はやはり生きている実感なのだろうか。「…

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矢沢永吉『成りあがり』角川文庫(1980) 副題がすごい。「矢沢永吉激論集」、そして「How to be BIG」。この副題はなかなかつけられるものではない。 本の内容を一言でまとめるならば、はじめの「読者へ」を読めばよい。「オレは、昔のことを思い出すと…

成長していないなあと改めて思う。人生これから。 ・・・