読了

市川伸一『考えることの科学中公新書(1997) ISBN:412101345X
「本書は三部から成っている。1部は論理的推論、2部は確率的推論、そして3部は、広く日常場面における推論を扱っている」。それぞれが3章構造になっていて、バランスもよい。何よりわかりやすい。人間の推論のあり方について、認知心理学からアプローチする。
著者は認知心理学の研究は、「私たちの認知や行動の改善の可能性を与える」という。人間の素朴な推論を直視することで、たしかに学ぶことは多いと思う。認知心理学という分野に大いに興味をもった。副題たる「推論の認知心理学への招待」の目的は十分にはたしていると思う。