読了

川又一英『麻布中学と江原素六新潮新書(2003) ISBN:4106100320
本書は麻布中学を書きたかったのか、江原素六を書きたかったのか、やや中途半端だ。麻布中学の自由な精神を書くために、江原素六をとりあげたように読めるが、現代の麻布を論じるのに江原だけをとりあげるのは物足りない。ならば江原素六をもっと正面からとりあげて、エピローグとして麻布中学の戦後を描写すればよかったのではないか(つまり本書第5章とエピローグを圧縮して新しいエピローグとするかわりに、第4章までの江原の記述をもっと深めればよかったのではないか)。