読了

原武史鉄道ひとつばなし講談社現代新書(2003) ISBN:4061496808
著者は日本政治思想史を専門とする学者。『可視化された帝国』はかつて本屋でチェックしたまままだ買ってない。『大正天皇』は読もうと思ったまま長く積読状態になっている。先にこちらのエッセイを読了してしまった。どうしても軽いものから先に読んでしまう。
さて、本書は長く講談社のPR誌『本』に連載された同題のエッセイをまとめたもの。各出版社のPR誌はそれぞれになかなか面白いが、『本』を手にしたら必ず「鉄道ひとつばなし」には目を通していた。私自身、鉄道そのものには全く関心がないのだが、著者のエッセイは鉄道への愛情を感じさせるが、決して鉄道マニア向けではないところがよい。しかも、面白いものが比較的多い。
趣味を仕事にすることは、趣味を失うことでもある。だが、著者の場合、仕事の周辺に趣味をおくことで、趣味は趣味のまま楽しめているように思える。仕事と趣味の幸せな結婚ではないか。なんともうらやましく思える。