読了

新藤宗幸『概説日本の公共政策東京大学出版会(2004) ISBN:4130322060
著者いわく、「行政学地方自治論)の観点から、日本の公共政策を考えるためのテキストとして執筆したもの」。法科大学院設立の頃、あわせて公共政策大学院なるものがいくつか設立されたが、それに対応して作られたのだろう。
政策学に関する日本語のテキストはあまり多くない。それも仕方のないことなのかもしれない。というのも、政策というもの、なかなか一筋縄ではいかない。実際の政策を理解するには、その専門分野の知識が必要なのはいうまでもないが、それを法律という形で実施するならば法律の知識が必要だし、政策実施過程を検討するならば行政学の知識が不可欠である。テキストの執筆は難しかろう。
本書は、あくまで行政学の本である。行政学のスタンダードなテキストを読めば、当然政策に関する章もあるだろうが、それを独立させて膨らませたところに本書の意義がある。