そういえば、最近訃報記事をチェックしなくなった。俳優の藤岡琢也氏の訃報をみて、久しぶりに1週間分をチェックしてみた。フランス中世史の木村尚三郎氏、古代ローマ史の弓削達氏の訃報を知る。
訃報記事の書き方にはいろいろと思うところがある。事実を伝える数行のなかに、その人となりを簡潔に記さねばならない。肩書きをどうするかで、読者の印象も変わる。木村氏の肩書きを歴史学者とするか、エッセイストとするか、それだけで読者の記憶喚起も異なってこよう。
訃報記事は業績を記す。業績に故人は満足していたのだろうか。故人の一生を勝手に想像し、自らの故人像を再構成するよい機会である。