読了

宇都宮健児消費者金融岩波新書(2002) ISBN:4004307791
本書の副題は「実態と救済」である。どちらについても紹介が中心である。たぶん著者の意図としては、消費者金融に手を出して失敗することを予防したいのだろう。だが、本書を手にとるような人は、そもそも消費者金融に手を出さないのではないか。たぶん、著者が本当に読んでほしい人の手許に本書が届くことはあまりないだろう。
想定読者と現実の読者が違うという私の分析が正しければ、本書は多くの読者にとって物足りないと思われる。読者が期待するのは、もっと深い分析なのではなかろうか。新書の目的とは何なのか、改めて検討すべきなのかもしれない。