満員電車の出来事。私の背後で痴漢騒動が起こった。朝のラッシュには乗り慣れているが、こういう事件は初めてだ。乗換駅に到着するちょっと前だった。若い女性が男性のコートの端をつかんでいた。女性いわく、「この人、痴漢です」と。男性、反論するに、「すれただけですよ」と。女性がさらにつめよると、男性いわく、「証拠がどこにあるんだ」と。駅につくなり、男性はおろされ、駅員につきだされたようだ。
男性の反論からみるに、何がしか触ったのは事実なんだろう。しかし、「証拠がどこにあるんだ」はいただけない。この言葉、彼は居直ったかに聞こえる。気弱そうな男性だったからなおさらそうみえた。
女性の勇気は賞賛に値する。しかも、行動は冷静だった。被害にあっても冷静でいられるというのは、なかなかに難しいと思う。駅に着くちょっと前というタイミングも結果としてよいように作用している気がする。
事の真相はすべて私の背後で起こったこと。私にはわからない。