読了

今里義和『外務省「失敗」の本質』講談社現代新書(2002)ISBN:4061496409
著者は東京新聞論説委員らしい。一連の外務省不祥事を受けて、外務省再建をうったえる。とはいえ、具体的なプランをとなえているわけではない。
各章で論じられているのは、機密費、湾岸危機の教訓、鈴木宗男、ODA、瀋陽総領事館事件、北朝鮮である。テーマの選び方、その並べ方、ともにわかりやすい構成だと思う。ジャーナリスティックなものであり、手頃で読みやすい。一連の外務省不祥事をざっとみるには便利。
本の構成として最も気になったのが、コラムの位置づけである。章の途中で突然1ページのコラムがでてくる。文章の流れが途切れてしまい、非常に読みにくい。序章と終章である第7章を除けば章は6つあり、コラムも6つなのだから、各章末にコラムをおいた方が読みやすいのではないか。ときどき、読書の流れを阻害するコラムを見つけるが、個人的にはやめていただきたい。