一度仮説をつくってしまい、その仮説の魅力にとりつかれてしまうと、どうしてもその色眼鏡をかけてものを見てしまう。場合によっては、本当は黄色いものが、緑がかって見えることになる。しかも、色眼鏡に酔うと、自分ではなかなかはずせない。
その要素を取り除いたとしても、やはり失望したというのが正直なところ。どんなに崇高な理念に基づき、どんなにすばらしい考え方によって政策原案が練られたとしても、政策過程を通じてさまざまな横槍がいれられた結果、最終的な政策案はあまりにも平凡で、あまりにもつまらないものになってしまうかもしれない。どんなにすばらしい政策であっても、実施過程においてその理念が理解されなければ、結局のところ新しい酒を古い皮袋に入れることになる。せっかくの新しい酒の風味は失われてしまいかねない。
しかし、よく考えれば、そもそもが過大な期待を抱きすぎていたのかもしれない。自分自身の未熟さを嘆く。