今の仕事について、最も感動した瞬間に立ち会った。たったあれだけのことに感動するのは、ひょっとしたら私だけかもしれない。しかも、それは私に対して発せられた言葉でもない。しかし、私にとっては幼いときの大事件であり、歴史として後から学んだことを、当事者が実感をもって語るときのその迫力には、なんともいえないものがあった。それが、かつての研究対象のひとつでもあり、そのことについて思うところがあったのだから、なおさらだったのかもしれない。