読書の過程で気になった言葉。来歴。過去と現在をつなぐ物語であり、未来を描く物語である。他者に自己を紹介するためだけでなく、自己が自己であるためにも来歴は必要とされる。
しかし、なぜ今そこにあるものではいけないのか。あのときがあったからこそ今があるという。そのあのときが本当に岐路であったのかは、実はどうでもよいことである。だが、ここでの問題はそこではない。なぜあのときを語らなければならないかである。なぜ今を問題にするのに過去を語る必要があるのか。過去を語らなければならないのはなぜなのか。